雨の別れ   

〜冷たく悲しい雨は真実を隠す〜
 
作:ありすさま




『もし、あんたを好きだったら、こんなふうに出ていかない・・・さようなら・・・』
 
 
あいつのこの言葉は俺の心に深く突き刺さった。
 
 
 
大雨の中、傘もささず、
 
いや・・・
 
傘を差すことさえ忘れて、屋敷の目の前で俺は呆然とした。

 
 
 
『俺が惚れてるのはお前だけだ』
 
 
この気持ちは、うそじゃねえ、
 
マジで俺はお前が好きなんだ・・・必要なんだ
 
ほかの女ではダメなんだ・・・
 
 
 
それなのに、どうしてお前は俺の気持ちには答えてくれないんだ。
 
俺を見ようとしてくれないんだ。
 
 
 
いつも捕まえたと思うと逃げてしまう鳥のように
 
お前は俺の下から去っていく・・・
 
 
ババアの差し金だって?
 
 
何故、俺の母親なのに・・・
 
俺を産んだ母親なのに・・・
 
俺の幸せを考えてくれないんだ!
 
 
 
俺は『道明寺』という家で何不自由なく育ってきた。
 
かなわないことなんて、何もなかった・・・
 
 
ただひとつ・・・
 
あいつの心を除いては・・・
 
 
 
 
俺が生まれて初めて
 
  ーーマジで惚れた女
 
  ーー傍にいて欲しいと思った女
 
  ーー笑顔がみたいと思った女
 
 
 
それが、牧野つくしだ・・・
 
 
あいつはこの雨の日を境に俺の前から消えた・・・
 
 
 
俺の心は
 
ずたずたに引き裂かれながら
 
 
今でも
 
あいつを求めてる
 
 
忘れることなんて出来ない・・・
 
 
 
恋人同士でなくてもいい、俺の傍にいて欲しい
 
俺の隣で笑って欲しい・・・
 
 
もう、お願いだからどこにも行かないでくれ・・・
 
 
 
戻ってきてくれ・・・
 
俺の目の前に元気な姿を見せてくれ!
 
 
 
一体、お前はいま何処にいる?
 
何をしている?
 
何を考えてる?
 
 
 
俺の頭の中は、お前のことだけだ
 
お前のことだけなんだ・・・!
 
 
 
 
もう、好きで、好きで・・・気が狂いそうだ・・・
 
 
忘れることが出来たら・・・
 
 
 
 
この雨が悲しみとおまえへの想いを洗い流してくれたら・・・
 
もっと楽なのにな・・・
 
 
 
お前の脳裏には俺はいるか?
 
俺のこと少しは思い出してくれてるか?
 
 
 
俺は、この想いをどこにぶつけていいか分からない・・・
 
どうしていいか分からない・・・
 
 
 
ただ、
 
これだけははっきりしてる・・・
 
 
ーーー俺には、お前の代わりなんていない・・・
 
ーーーお前でないとダメなんだ・・・
 
ーーーダメなんだ・・・
 
 
 
好きだ・・・
 
この腕でもう一度抱きしめたい・・・
 
 
 
おまえが道明寺家(うち)にいたとき
 
抱きしめた感触、おまえと交わしたやわらかい唇
 
 
キスすするといつも真っ赤になって・・・
 
 
そんな顔をするおまえが忘れられない・・・
 
 
 
 
俺は好きでない女は抱けねえ
 
キスもしたくねえ・・・
 
 
そういうことをしたいと思う感情は
 
お前にしかない・・・
 
 
 
いつか心の癒える時が来るのだろうか・・・?
 
この想いもいつかなくなる日が来るのだろうか・・・?











こんにちは、ありすです。
駄文ではございますが、カウプレのお礼(?)に執筆させていただきました。
こういう結末を書かないストーリーはとても楽しく書かせていただきました。
この雨の日の別れは、マンガではつくしサイドで書かれてるので
今回は司の心の叫び?を書いてみたつもりです。
ほかにも思いつきましたら、書いて見たいな〜って思います。
もちろん、管理人さんがいいっておっしゃったらですが・・・(>▽<)
     平成14年6月11日
                                ありす