今日は制服のまま道明寺の屋敷にきている。
 
外は突然の雨で、私も道明寺も雨でびしょ濡れだ。
 
 
着替えのない私に
あいつはクローゼットから一枚のセーターと着替えを出してくれた。
 
 
私はバスルームでシャワーを浴び、その道明寺の服に着替えた。
 
 
私にはぶかぶかで大きいブルーのセーターは
道明寺の高そうなコロンの香りに包まれている
 
 
そう思うと、私は顔がりんごのように真っ赤になっていくのが
自分で分かった。
 
 
 
私は照れ隠しで、部屋にあったりんごをかじった。
 
「あ、りんごがある、いただきっ!」
 
そういってそのまま私はりんごをかじった。

 
 
 
「おまえ、なにかじってるんだよ、うさぎとかじゃあるまいし」
 
それが彼氏の言う言葉か!そう思いながら
 
 
「だって、おなかすいだんだもの」
 
私はりんごを食べ続けた・・・1個、2個とりんごを食べ続けた・・・
 
 
 
「まったく、おまえは色気ねえな」道明寺は呆れ顔だ。
 
 
 
そんな言葉にちょっとだけむっとした私は
 
「じゃあ、色気ある子と付き合ったら?」そういった。
 
 
 
すると
 
「俺はおまえがすきだって言ってるだろ!いつまでも食ってるなよ」
 
 
あいつの顔は当然いつもの青筋が立つと思ったら、違った!
 
そう言うと、あいつは私を抱き寄せキスをした。
 
 
 
 
甘く優しいキス・・・
 
何度も道明寺とキスをしてるけど・・・
 
ほんと、キスが上手・・・
 
 
 
私が抱きかかえていた残りのりんごは床に落ちた。
 
 
唇が離れると、私を見つめて
 
「俺はりんごより、おまえが食べたいよ・・・」そういった。
 
 
 
 
そういう道明寺の顔は真剣だし、すごく色っぽいの・・・
 
もともと端整な顔立ちだけど、さらに・・って感じで私は、
 
そんなあいつに『ドキッ』としてしまった。
 
 
 
「ん?あんたもおなかすいてたの?じゃあ、一緒に食べようよ、りんご・・・」
 
ちょっと話題をそらしたかった私は、そういってみた。
 
 
「馬鹿言うな!まったく、おまえは相変わらすだな、
 
 話をそらすんじゃねーよ!俺は5年も待てねえぞ」
 
 
優しかった表情が・・・だんだん険しくなっていった。
 
 
「え〜〜?待っててくれるっていったじゃん」
 
そういって私は笑って逃げた・・・
 
 
その後、あいつの青筋がしばらく消えなかったのは
いうまでもない・・・
 
 
ーーーもう少し、待っててね・・・。
 
ーーーまだ、私怖いの・・・そうなることが・・・
 
ーーーもう少し・・・あんただったら、待っててくれるよね・・・?
 
 
〜りんごとあいつ〜
 
こんにちは、ありすです。
またまた書かせていただきました。
VOL214のかわいいつくしの絵にお話をこじつけました。
sweetberryさんは司のセーターのイメージで色をつけられたみたいなので
私もそれに準じて、考えてみました。
すごく強引な話の持っていき方ですみません。
ああ、駄文ですが楽しんでいただけると嬉しいです。
        平成14年6月11日
                                  ありす

Story: Apple

作: ありすさま